ヒューバーマン博士の知見から学ぶ学習法
今回の記事では、脳科学者でありスタンフォード大学医学部の教授でもある アンドリュー・ヒューバーマン博士 の研究を参考にしています。ヒューバーマン博士は、やる気や集中力、学習効率を高めるための実践的な方法について、多くの研究と発信を行っています。その知見をもとに、勉強へのやる気を引き出し、成績向上につながる方法を分かりやすく解説します。
本記事では、スタンフォード大学のヒューバーマン博士の研究を参考にしています。博士の詳しい解説はこちらのYouTube動画でご覧いただけます。
第1章ー勉強のエンジンをかける科学(やる気・集中力編)
ここでは、脳の「やる気」を入れるための即効性のあるテクニックを紹介します。なぜ効果があるのか、その理由もセットで理解しましょう。
1. 運動ー最強の脳活性化術
- 実践法ー 週3~5日、15~20分の軽い運動(散歩、ストレッチ、軽いジョギング)を勉強前に行う。
- 科学的根拠ー 運動によって放出されるドーパミンは、「これをやると気持ちいいぞ!」と脳に教える快楽物質で、モチベーションの源泉です。さらに、BDNF(脳由来神経栄養因子)という物質も分泌され、記憶細胞(ニューロン)の成長を促します。つまり、運動は「やる気を出し、頭も良くする」一石二鳥の活動なのです。
- 学習塾での活用法ー
- 塾に来る前の10分ウォーキングを推奨。
- 授業の合間に軽いストレッチを取り入れ、脳と体をリフレッシュ。
2. 冷水と深呼吸ー一瞬で脳を覚醒させる
- 実践法ー 朝、冷たい水で顔を洗う。勉強の合間に目を閉じ、3回ゆっくり深呼吸する。
- 科学的根拠ー 冷水のような短時間の軽いストレスは、注意・集中を司るノルアドレナリンを放出し、脳をシャキッと覚醒させます。一方、深呼吸は、脳の司令塔である前頭前野の働きを落ち着かせ、注意散漫になるのを防ぎ、集中力をリセットする効果があります。
- 学習塾での活用法ー
- 休憩時間の終わりに深呼吸を促し、「集中モード」への切り替えスイッチにする。
- テスト前に瞑想を取り入れ、過度な緊張を和らげる。
3. 先延ばし克服ー脳を騙してスタートダッシュ!
- 実践法ー 「1分だけ机に向かう」「タイマーで5分だけ集中する」「一番簡単な問題から手をつける」。
- 科学的根拠ー これは「行動活性化」と呼ばれる心理学のテクニックです。脳は変化を嫌うため、大きな課題の前では抵抗を感じます。しかし、「たった1分」という非常に小さなステップ(ベイビーステップ)なら、脳の抵抗が少なく、行動に移しやすくなります。そして、一度始めると「作業興奮」という脳の仕組みが働き、だんだんと集中力が高まっていきます。
- 学習塾での活用法ー
- 自習の最初に「5分間集中タイム」を設定。
- 苦手科目こそ、この「ベイビーステップ」で始めるよう指導する。
第2章ー脳をハックする!成績が伸びる人の「学び方の科学」
やる気のエンジンがかかったら、次はそのエネルギーを最も効率的な学習法に注ぎ込みましょう。科学的に「効果が低い」とされる学習法(例ーハイライトを引くだけ、教科書をただ再読する)はやめ、「効果が高い」と証明された方法を実践することが、成績向上のカギです。
原則1ー想起練習(アクティブ・リコール)
- 内容ー 教科書やノートを閉じて、学んだ内容を「思い出す」作業。これが最強の復習法です。
- 科学的根拠ー 何度もインプットするより、一度でも脳から情報を取り出そうと(想起しようと)する方が、記憶への定着率が圧倒的に高まることが数多くの研究で示されています(テスト効果)。
- 実践法ー
- 単語や用語は、赤シートや単語カードでテスト形式にする。
- 問題集を解く(答えを見る前が「想起練習」のチャンス!)。
- 学んだ範囲について、何も見ずにノートに書き出してみる。
原則2ー分散学習
- 内容ー 一度に長時間まとめて勉強するのではなく、時間を空けて複数回に分けて復習する方法。
- 科学的根拠ー 一夜漬けの知識がすぐに消えるのは、脳が「これは一時的な情報だ」と判断するからです。時間を空けて復習すると、脳は「この情報は何度も使う重要なものだ」と認識し、長期記憶に保存します。
- 実践法ー
- 「学んだ日」「翌日」「1週間後」「2週間後」のように、復習の間隔を少しずつ広げていく。
- AnkiなどのSRS(間隔反復システム)アプリを活用する。
原則3ーインターリービング
- 内容ー 一つの科目の似たような問題ばかりをまとめて解く(ブロック学習)のではなく、異なるタイプの問題を混ぜて解く学習法。
- 科学的根拠ー ブロック学習は短期的にはスラスラ解けるように感じますが、応用力が身につきません。インターリービングを行うと、脳は問題の種類を「見分ける」訓練をすることになり、初見の問題への対応力や、知識の柔軟な活用能力が格段に向上します。
- 実践法ー
- 数学ー 二次関数、図形、確率など、異なる単元の問題をシャッフルして解く。
- 英語ー 文法問題、単語問題、長文読解を交互に行う。
原則4ー自己説明・精緻化
- 内容ー 学んだ事柄について、「これはどういうこと?」「なぜそうなるの?」と自問自答し、自分の言葉で説明したり、他の知識と関連付けたりすること。
- 科学的根拠ー 情報をただ覚えるのではなく、その意味や背景を考え、構造化することで、理解が深まり、記憶に残りやすくなります。特に、誰かに教えるつもりで学ぶと(プロテジェ効果)、知識の整理が進み、学習効果が飛躍的に高まります。
- 実践法ー
- 数学の公式をただ暗記せず、「なぜこの公式が成り立つのか」を説明してみる。
- 歴史の出来事を「Aが起きたから、次にBが起きた」と因果関係でストーリー化する。
第3章ー【教科別】科学的根拠に基づく最強の学習手順
それでは、第2章の原則を各教科の学習にどう活かすか、具体的な手順をご紹介します。
【数学】ー「解ける」から「使える」へ
- 例題の理解(ワークドエグザンプル効果)ー まずは教科書や参考書の例題と解法をじっくり読み、「なぜその式を立てるのか」「なぜその順番で解くのか」を声に出して音読・説明します。
- 類似問題で想起練習ー 解法を隠し、自力で類似問題を解きます。ここで「思い出す」作業を行います。
- 多様な問題でインターリービングー 基礎が固まったら、異なる単元の問題が混ざった総合問題集に挑戦し、「見分ける力」と「応用力」を鍛えます。
- 解法の自己説明ー 解き終わった問題について、「なぜこの解法を選んだのか」を先生や友人に説明できるか確認します。これが深い理解の証です。
【英語】ー「読む・聞く・書く・話す」を科学的につなげる
- 単語(分散学習+精緻化)ー 単語帳アプリ(Ankiなど)で分散学習を徹底。例文の中で、イメージと共に覚えます。
- 文法(インターリービング+自己説明)ー 異なる文法事項(例ー不定詞、動名詞、分詞)が混ざった問題を解き、文法の使い分けを訓練します。なぜその文法を使うのか、核となるイメージ(例ーto不定詞は未来志向、動名詞は反復・事実)で理解します。
- リスニング(シャドーイング)ー 聞こえてくる英語の音声を、少し遅れて影(シャドー)のように追いかけて発音します。これにより、音声知覚が自動化され、リスニング力が飛躍的に向上します。
- リーディング(多読)ー 簡単で面白いと感じる英語の本を、辞書を引かずに大量に読みます。これにより、英語を英語のまま理解する回路が脳内に作られます。
【国語】ー感覚ではなく、論理で解く
- 漢字・語彙(分散学習+精緻化)ー 漢字も単語と同じ。分散学習で反復し、「部首の意味」や「その言葉が使われる文脈」とセットで覚えます。
- 読解(自己説明)ー 問題を解いたら、必ず「なぜその選択肢が正解なのか(あるいは間違いなのか)」の根拠となる部分を本文から探し出し、線を引き、説明する癖をつけます。
- 古文(スキーマの活用)ー 単語や文法に加え、当時の常識や文化(恋愛観、宗教観など)の知識(スキーマ)を学ぶことで、主語がなくても文脈が推測できるようになります。
【理科・社会】ー「暗記」と「理解」を両輪で
- 知識のインプット(分散学習+精緻化)ー 用語や年号は分散学習で記憶に定着させます。その際、歴史なら出来事の因果関係をストーリーとして語れるように、理科なら身近な現象と関連付けて覚えます(例ーコイルの右ねじの法則とペットボトルのキャップ)。
- 知識のアウトプット(想起練習+自己説明)ー 用語や出来事について、何も見ずに説明する練習をします。「なぜその現象が起こるのか?」「その出来事の結果、社会はどう変わったのか?」を自分の言葉で説明することで、知識が体系化され、応用問題に対応できるようになります。
- 資料の読解(インターリービング)ー 地理の地図、歴史の史料、理科の実験データなど、様々な種類の資料を読み解く練習を交互に行い、情報を正しく読み取る力を養います。
【まとめ】ー科学的学習法を、あなたの隣で。
当塾では、今回ご紹介したような最新の科学的アプローチを、日々の指導に全面的に取り入れています。
- やる気を引き出すメンタルサポートー 授業前の瞑想や、先延ばしを防ぐ声かけで、生徒が前向きに学習に取り組める環境を作ります。
- 個別最適化された学習ルートの提示ー 「数学のこの単元はインターリービングで」「英単語は分散学習の計画を立てよう」など、一人ひとりの課題に合わせて、最も効率の良い学習手順を具体的にアドバイスします。
- 「なぜ?」を育てる対話型授業ー 一方的に教えるのではなく、「なぜそう考えたの?」と問いかけることで、生徒自身の「自己説明能力」を引き出し、本質的な理解を促します。
科学的学習法は、知っているだけでは意味がありません。実践し、習慣化して初めて、大きな力となります。当塾で、脳の仕組みを味方につける「一生ものの学び方」を、一緒に身につけませんか?
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